リチャード・ソーンバーグ閣下
リチャード・ソーンバーグ閣下は初めに国連の運営問題に焦点を当て、特に1993年のソーンバーグ・リポート提出以後の国連行政改革の状況を評価した。彼の結論によれば、全般的に見て、組織の再構築、監視事業の進歩、スタッフの募集と訓練など、いくつかの重要な領域においては肯定的な結果が得られている。しかしその他の領域、例えば全般的な予算の運用、プログラムの領域における真のプライオリティの不在、標準以下の経営業績を取り扱う方法の欠如などには、改善の余地が多く残されていると彼は語った。にもかかわらず、ソーンバーグは改革の努力を完成させる機会は非常に高い水準にあり、米国と国連が通常予算分担金の支払いに同意すれば、そのプロセスは加速されるだろうと結論した。彼はまた、56年前に作られた国際的な金融機構の機能を再吟味するために、「第2次ブレットン・ウッズ」会議(注)を開催するという提案に同意した。最後に、彼は世界に50万人いる身体的、精神的、感覚的な障害を持った人々を擁護する上で、国連が先頭的役割を果たすよう勧告した。
(注:ブレットン・ウッズ会議とは、国際通貨・金融問題を処理するために1944年7月に米国ニューハンプシャー州ブレットン・ウッヅで開催された国際会議。ブレットン・ウッズ協定が取り決められ、その結果、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の創設を決定した。)